信頼の揺らぎ

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 厚生労働省の村木元局長が無罪判決を受けた郵便料金不正事件の捜査をめぐって、大阪地検特捜部の主任検事が証拠隠滅容疑で逮捕されました。NHKニュースでも中継していましたが、最高検の次長検事が会見し、主任検事の逮捕と、村木元局長の控訴断念方針を発表していました。

 大阪地検や東京地検の特捜部というのは、日本の検察組織の中でトップクラスの捜査能力を持ち、優秀なスタッフが集まる世界。政財界の絡む事件など注目度の高い事件を扱うことも少なくありません。ちなみに西松建設事件を捜査したのは東京地検特捜部です。「何を信用すればいいのかね〜」と我が家の食卓でも、ため息とともに話題になっていましたが、まさにその信頼が足元から音を立てて崩れようとしています。

 新聞社でも地検特捜部の担当記者は、おそらくPublic ProsecutorのPをとっているのだと思いますが、「P担」と呼ばれ、社会部の花形ポジションの一つ(同時に過酷な担当の一つでもありますが・・)です。社会部に進んだ横浜支局時代の先輩や後輩には、東京地検特捜部担当の経験者や現役がいますが、みんなこの事態をどう受け止めながら、今晩も事件取材を続けているのでしょうか。少し落ち着いたら、電話でもしてみようと思います。今回の郵便料金不正事件は、報道もそのあり方を問い直すべきことが少なくなかったはずです。

P1230689   さて、昨日までの三連休は、県連政治スクール第3回講義や県連幹事会、地元・東花ケ島自治会などの敬老会に、あいさつ回り。夜は新たな刺激的な出会いもあった自主勉強会?意見交換会?など盛りだくさんの3日間でした。

 また20日夜は、家族で大淀川の花火大会へ。口蹄疫の影響で時期はずれの開催となりましたが、少し離れた河川敷にも見物客がぎっしり。一眼レフのデジカメを三脚で構えて、バシッとした写真をこのブログに載せたいところでしたが、はしゃいで走り回る子どもたちの相手をしながらでは、コンパクトデジカメで何枚かシャッターをきるぐらいが限界。ただこんなにゆっくりと花火を眺めたのは、いつ以来だったでしょうか。そんなことを考えながら、夜空を見上げていると、気持ちのいい風が吹き抜けていきました。

 さて、国政では新・菅内閣が本格始動です。報道各社の世論調査では、高い支持率が発表されていますが、今やるべきことは地道な政権運営。浮かれず、おごらず、前に進むことでしか国民の声に応える術はありません。

 宮崎県政では、月曜日の読売新聞朝刊をきっかけに、東国原知事の2期目不出馬との報道が相次いでいます。東京都知事選への転身との見方が支配的なようですが、頭も心もニュートラルな状態で知事本人の言葉を待ちたいと思います。

 4年前の県知事選、私は毎日新聞政治部の記者で東京で暮らしていましたが、報道や家族、知人の話から東国原知事は風が吹き抜けるように県民の心をつかんでいった印象を受けました。投開票日の夜、首相官邸の記者クラブで先輩記者と仕事の手をとめて驚きをもって、テレビの開票結果を観たことを今でも鮮明に思い出します。

 その驚きから3年数カ月が過ぎたわけですが、もし県知事を離れるのであれば、その知事の思いを県民の心に響く形で届けてもらいたいと願います。特に報道にあるように東京都知事選への転身であるのならば、知事の一言一句を聞き漏らさずに、そのロジックをみつめてみたいと思います。

 今気づきましたが、庭から鈴虫の声が聞こえます。秋もそこまで来ていますね。

 信頼しているものが、信頼されているものが、そして信頼されるべきものが、揺らぐことがない。そんな社会を暮らしてみたいなあ・・・などと考えながら、9月21日も終わろうとしています。

渡辺創