少し時間がたってしまいましたが、WJBL(バスケットボールの女子日本リーグ)の「JALラビッツ」が2010-2011年シーズンで廃部となることが今月2日に発表されました。JAL自体が会社更生法を適用し、総力を挙げて再建を目指す状況なので、ある程度予想していたことですが、一人のファンとしては残念です。数年前には「フライング・ラビッツ」という映画としても取り上げられました。再建のシンボルになればと思っていたのですが・・・。
私自身は怪我でバスケットボールを続けることを断念しましたが、社会人になってからもバスケットを含めスポーツ観戦が趣味の一つです。実は小学校高学年の頃、宮崎市体育館だったと思うのですが、初めて見たバスケの実業団リーグの試合が当時1部と2部を行き来していたJALの試合だったと記憶しています。再びJALの試合を観たのは、2005年1月(だったはず・・)、東京の代々木第二体育館であった全日本選手権の準決勝。当時住んでいた横浜から妊娠中の妻と一緒に出かけました。その試合も勝利したJALは、その年初めて全日本選手権で優勝。それ以来、家族で応援してきました。
男子で応援している「AISIN」は、企業の業績悪化によるリストラなどを経た選手が主力になり、黄金期の礎を作ったチームです。JALの皆さんにも最後のシーズンで完全燃焼した後は、それぞれの新天地で頑張ってほしいと心から思います。
昨年まで勤務していた毎日新聞社は、社会人野球の都市対抗野球(夏の東京ドーム)、日本選手権(冬の大阪ドーム)や陸上のニューイヤー駅伝などを主催し、企業スポーツと縁の深い会社でした。社会人野球の観戦は毎年の楽しみでしたが、私の在籍中にもいすゞ自動車や三菱ふそう、日産自動車など名門チームの休廃部が相次ぎました。企業スポーツは、「終身雇用・年功序列」に代表される古い企業文化の代名詞のように言われることもありますが、私はあの一体感、頑張る仲間を見て自分たちも頑張ろうという空気、一緒に応援することで父親や母親の会社に親近感を持つ子供たちの姿などなかなかいいものだなと思っています。またスポーツを続けたい選手たちの活動の場所としても重要な役割を果たしています。
企業スポーツ、また企業に所属するスポーツ選手にとって、冬の時代が続きます。働く者全体にとって厳しい時代とも言えます。今日お会いしたある方が「明日に希望を持てるような社会を作らないといけない。その期待感を持たせるのが政治の仕事」とおっしゃっていました。その道を志す者として重く受け止めたい一言でした。 渡辺創