【雑感】高橋透さんが新たな挑戦へ

 11月20日、県議会の11月定例会が始まりました。古事記編纂1300年から日本書紀編纂1300年まで続けてきた恒例の「11月議会開会日の古代衣装」も今回が区切り。ただ、日本書紀編纂1300年に合わせて今年開催予定だった国文祭・芸文祭が来年に延期になったので、もしかすると来年も行うことになるかもしれませんが・・・。

 いずれにせよ、衆院選へ挑戦を決めている私は、来年10月21日が衆院の任期満了ですから、来年の11月議会を県議会で迎えることはないわけです。

 さて、今日の本題は、同僚県議だった高橋透さんが本日付で県議会議員を辞職しました。5期・17年8カ月の県議会生活。初当選時は松形県政、その後、安藤、東国原、河野知事と県政を見つめてきたベテランです。

 歯に衣着せぬ率直な物言いと裏腹に、常に人の置かれた環境をよく見つめ、繊細な気遣いのできる先輩でした。2人区というハードな選挙区で常に保守系と競い合い、連続5期当選という「選挙の強さ」は、政策力ももちろんですが、その人柄の賜物という側面もあったのだろうと思います。

 私が高橋さんから薫陶を受け始めたのは、県議3年目でした。私は当時の民主党県議団の幹事長となり、様々な議会内交渉や意見書を巡る攻防の場に臨むようになりました。ただ、経験もない3年目の34歳。戸惑うことも多い中で、諸派側(自民党以外の会派)筆頭が当時社民党県議団の幹事長だった高橋さんでした。何もわからぬ若造にも目配りをして、交渉に臨む基本姿勢をその行動で教えてくれました。

 その年の2月に当時の民主党と社民党は会派を統合し、今の「県民連合宮崎」を結成。結果として私が新会派の幹事長を6年務めることになりましたが、会派運営がうまくいくようにいつも陰に回って支えてもらったと思っています。

 高橋さんは、来春の日南市長選に挑戦する意思を固めています。日南市職員として社会人生活をはじめ、県政からも日南を見つめ続けてきた高橋さん。
 酒谷の自宅裏山では畑を耕し、政治的立ち位置にこだわることなく幅広い人たちと本音で語り合い、丁寧に付き合ってきた人物です。
 血の通った政治が分かっている人物です。
 みんなが大切にしてきたものを守りながら、新しい風を吹き込むことのできる最適な人物です。

 県議会控室で私の斜め前に座り、本会議場では私の左横にいた先輩の旅立ちには、正直寂しさも伴いますが、新たな一歩を踏み出した日南の「伊達男」の背中には、情熱と使命感がみなぎっていました。敬愛する先輩の挑戦を心から応援しています。

【渡辺創】