昨年の歴史的な政権交代から1年がたちました。鳩山内閣誕生から始まったこの1年。注目を集めた事業仕分け、政治とカネ問題の再燃、普天間問題による社民党の連立離脱、鳩山首相・小沢幹事長の辞任、菅政権の誕生、参院選敗北、そして14日の民主党代表選・・・と目まぐるしい365日でした。
私自身も、昨年の9月16日は毎日新聞政治部の民主党幹事長担当記者として政権誕生を見つめました。そして事業仕分けが始まったころに自らも政治の世界に飛び込むことを決意。11月末に育ててもらった毎日新聞社を退社し、政府が一般会計92兆円超の2010年度予算案を決定した翌日に民主党宮崎県連として参院選の候補者に内定しました。そして口蹄疫の最中に迎えた参院選での落選と個人的にも激動の一年でした。ゆっくりとこの1年を振り返ってみたい気分ですが、そんな精神的余裕もなく毎日を過ごしています。
さて14日の党大会。菅総理の続投が決まりました。特別代議員として、前日夜から党員・サポーター票開票の立会いなどを務め、党大会にも参加。両候補の最終演説を聞く機会を得ました。
「自立した国民に選ばれた、自立した政治家が、自らの見識と自らの責任で政策を決定し、実行に移さなければならない」。新聞記者として2年3ヵ月担当し、繰り返し聞いてきた小沢一郎さんの信念。その信念を込めた言葉は相変わらず力強く、小沢さんらしい内容。昨年の政権交代という原点への回帰を意識的に主張し、政治家としての総決算と位置づけて臨む覚悟を示す演説でした。
一方の菅総理。小沢さんの「僕には夢がある」という代表選コピーも取り込むなどなかなか練られた演説でした。民主党国会議員のすべての出身職業を読み上げ、「この多種多様な議員の集まりこそが民主党の強みで財産」と締めくくり、幅広い人材をアピールしたのも印象的。また「民主党の原点は何か」と問い、ともに政権交代を見ずに亡くなった石井紘基さん、山本孝史さんの生き方から導き出した「不条理との闘い」という解は、会場に静かに響き渡りました。
以前にもブログに書きましたが、私は党内民主主義のあり方を考えても、堂々たる論戦を繰り広げる代表選となったことには胸を張るべきだと思います。その上で今後は聞き飽きた感はありますが、「挙党一致」で政権運営にあたらなければなりません。
「国民の生活が第一。」という原点と、「不条理との闘い」という原点。この二つの民主党の原点を心に刻み込み、そして「小沢さんにも、菅さんにも、そして私にも夢がある」と心の炎が勢いづく党大会になりました。
渡辺創