2020.07.25【日記】第2波と受け止めて

 新型コロナウイルスの感染確認が続いている。宮崎県は24日、21:00の記者会見で3人、さらに深夜の会見で6人を発表した。一日で計9人が新規に確認された形だ。西都・児湯医療圏と宮崎・東諸医療圏に集中している。

 宮崎県では、いわゆる第1波期に17人(ほぼすべてが県外由来+家族)。その後、中間期に3人(これも県外由来+家族)。そして仮に22日からの状況を「第2波」とすれば、3人→4人→9人の計16人。つまり第1波と同水準にわずか3日でたどり着いた。ただ第1波が極めて低位だったため、この比較にそれほどの意味があるかはわからない。しかし県民への心理的圧迫が急激に高まっていることは間違いない。

 昨日のブログにも示したが、残念ながら「局面転換」を迎えたと言わざるを得ない。そのことは昨日夕方会見した河野知事が「事実上の第2波に入ったとの緊張感で臨む」としたことからも明らかだ。

 私たちは今、いくつかの「宮崎では初めての事態」に直面している。
①1日の感染確認が最多(24日に9人)
②感染ルートが不明のケース
③クラスターが疑われるケース
④接待を伴う飲食店が原因と疑われるケース
⑤県内における複数ルートの同時発生
⑥最高齢の感染者
などが挙げられる。

 さらに現状を受けて、今後想定される事態は・・・
〇感染拡大によって行政が担う状況・行動追跡作業の負担増
〇濃厚接触者・接触者急増(飲食店利用者や学校関係など)によるPCR検査対応能力の逼迫
〇医療機関の負担増に加え、まだ受け入れ実績のない軽症者収容施設の運用開始
〇県民の警戒感の高まりによる経済活動の低迷
などが想像される。

 これまでも自粛による経済活動の低迷には県民全体で耐え忍び、医療関係者をはじめエッセンシャルワーカーの皆様には本当に大きな負担を背負って頂いた。ただ一方で幸いなことに、宮崎では「感染の急拡大」という局面は経験せずに来た。

 今回の事態に行政も県民もある種の動揺を抱えている。新しいフェイズに突入したことは間違いない。けれども多くの都道府県が経験していることだ。先例はたくさんある。冷静に、一つ一つ丁寧に対処することで危機を乗り越えていきたい。

 言い方に課題があるかもしれないが、これまで議論してきた「コロナとともに」という状況に本当の意味で宮崎も入り始めているのかもしれない。新型コロナが一定割合で存在する社会の中で、ある程度の社会生活を維持し、息苦し過ぎない生き方をどう確立していくのかが問われているような気がする。ただ、まだ宮崎では「感染拡大状況を抑える」という経験値が圧倒的に足りていないことも事実。まずはその対処に全力を挙げるべきだというのが現時点での正答だと思う。

 同時に、昨日も書いたが、宮崎における「第2波」はいずれも感染者の社会的存在感が具体的にイメージできる形で情報発信が行われている。感染拡大防止のためやむを得ないことだが、当時者や家族、関係者の精神的負担は実に重たいはずだ。

 この段階になれば誰でも感染するリスクを持っている。自分、家族、友人、同僚、誰が感染してもおかしくない。社会生活を営む以上どんなに努力をしても完全な予防はあり得ないわけだ。この意味を冷静に考えよう。みんなが愛する宮崎県において、新型コロナによる県民の分断を生んではいけない。行政や我々議会関係者も「感染拡大防止」、「経済活動の維持」と同レベルに重要な問題に位置付けて臨むくらいの覚悟がいると強く感じている。

 最後に、昨日夕刻、知事が会見を開き、改めて県民に警戒を呼び掛け、上述したように「事実上の第2波に入ったという緊張感で臨む」と表明した。さらに追加で6名の感染確認を公表した深夜の会見にも臨んでいる。昨日のブログに込めた思いが届いたかを伺い知ることはできないが、望ましい判断だったと思う。今はしっかり知事がメッセージを発すべき時である。もし感染拡大が続けば、知事は厳しい質問や問いかけに晒されることもあるかもしれない。それでも先頭に立つ姿を貫いてほしい。県民はその姿に信頼を寄せるのだと思う。

 自治体議会は、現状のような緊急対応に直接的に関与することには限りがあるが、まずは情報収集に努め、執行部の視野が狭まりそうになる時には、県民の思いを背負っているからこそ何らか役に立てることがないかを考えていきたい。

 今日は県の対策本部会議を受け、県議会でも急遽、代表者による会議が開催される予定になっている。

【渡辺創】