憤りと、虚しさと、不安と

 県議選が終わり、あっという間に1か月が過ぎました。残念ながら仲間2人の議席を失った宮崎市議選や、選挙によって滞っていた党務、選挙後のご挨拶などに追われる日々でした。

 県議会は、12日から14日に全員協議会が開かれ、今年度の特別委員会や議会内のポストなどについて調整が一段落し、来週月・火の臨時議会で議会の構成を正式決定する予定です。まだ発表できませんが、2期目に入り、担う役割も少し重たくなりそうです。

 それにしても気になるのは、国会の動き。14日には安倍政権が、自衛隊活動の拡大を図る安保関連法案を閣議決定し、15日に国会に提出しました。

 アジアにおける安全保障環境の変化は間違いなく、国土と国民の安全を守るためには、状況に応じたい対応策を取らなければならないのは当然です。

 しかし、今の政権の対応は、国の最高法規である憲法を解釈よって事実上変更し、「都合のいい状況」を作り出そうとしているようにしか見えません。私は安倍首相とは思想も、思考も違いますので、安倍さんの本心に同調する気は全くありませんが、今の憲法を「都合の悪いもの」と安倍さんが考えているのなら、堂々と国民に憲法改正を問い、そのうえで自らの理想とする安全保障観を国民に示して、今の憲法に代わる理念を提示するべきでしょう。

 その作業をすっ飛ばして、本来権力者を縛る憲法を、時の政権が正統な手続きを踏まずに都合よく捻じ曲げていく様は、姑息であり、立憲主義の立場からも決して許容できるものではありません。

 法案整理のあり方や、昨日の首相記者会見、米国議会での首相演説などを見ていると、安倍さんが本当に国民の理解を得ようとしているかには懐疑的にならざるを得ません。戦後70年間の誇るべき日本の歩みが、なし崩し的に転換されようとしていることに、憤りと虚しさと恐怖を感じています。

 私は一人の県会議員に過ぎませんし、県内からは国会議員を持たない政党地方組織の役員でしかありませんが、民主党は今こそ踏ん張りどころだと思っています。しっかりと党本部に対しても物申しながら、議論をきちんと見つめ、私のできることを取り組んでいきたいと思っています。

【渡辺創】