“党務”について考える

Cimg2537_2 22日に開会した宮崎県議会2月定例議会も28日(明日)からいよいよ代表質問が始まります。一般質問、常任委員会審議、特別委員会審議と続き、来月21日に閉会です。今回の議会では、今年度補正予算、来年度の本予算を審議しますが、県執行部は副知事二人制導入に伴う条例改正、人事案件も会期途中に上程する方針のようで、話題の多い議会となりそうです。

 所属する「新みやざき」からは、井上紀代子議員が1日の代表質問で登壇。一般質問には西村賢議員、徳重忠夫議員が立ちます。12月議会で登壇した私は、本会議で発言の機会はない予定。委員会質疑に力を注ぎます。会期末までしっかり励みます。

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 さて、今日のテーマは、「“党務”について考える」。

 前後に「明日は・・・・(について考える)こころだ〜!」と付ければ、昨年惜しまれながら亡くなった小沢正一さんの名ラジオ番組「小沢正一の小沢正一的こころ」の決まり文句のようですが、番組を知らない方には全くわかりませんよね(苦笑)。話を戻します。このブログ゙は始めた当初からあまり肩ひじ張らずに「政治家を志した30代の人間の目に映る出来事」についての雑感と位置付けてきましたが、たまにはテーマを明確にしての話題もいいでしょう。ご容赦ください。

 さて、ブログをお読みいただいている方々はご承知でしょうが、私は民主党に所属しています。毎日新聞社を退社し、故郷宮崎に戻った2009年12月末に入党し、その後は宮崎県連として初めての参院選公認候補として2010年7月の参院選を戦い、落選。多くの方の激励のおかげで再チャレンジした2011年4月の統一地方選で県議会議員に初当選しました。

 入党から3年2カ月。この間、県連では青年局長をスタートに、県議就任後は広報組織委員長、幹事長代理を経て、今年1月に幹事長就任と責任ある役割を与えていただいています。小さな地方組織ではありますが、仲間と力を合わせ、知恵を絞り、熱心に党務に取り組んでいる自負もあります。特に幹事長就任後は、その役目も党本部対応、選挙対策から事務局の業務管理まで全般に渡り、非常に大きなウエイトですが、試行錯誤しながらの毎日を過ごしています。

 2009年に政権を担い始めてからの民主党は厳しい声を受け続けてきました。私が入党した頃から今に至るまで民主党に追い風が吹いた時期は、肌感覚としてはありません。この間に自分の選挙を2回行ったわけですが、選挙責任者として臨んだ昨年12月の総選挙も含め逆風の選挙しか知りません。日ごろの活動の中でも「渡辺君はいいんだけど、民主党なんだよな〜」と残念な表情を浮かべられたことは数え切れません。同じような経験は多くの民主党議員がしているはずです。地域の支援者の中からは「無所属で活動したら?」と冗談交じりに言われることも少なくありませんが、「(渡辺の)趣味だと思ってあきらめてください」と冗談で返したりしています。

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 では、なぜ私は民主党であり続けるのか。端的に言えば、私はまだ民主党の存在価値を信じているからです。より正確に言えば、民主党が背負おうとしている価値に意義を見出しているからです。

 この場で他党についての評価を語る気はありません。

 私は、今も記者を続けるかつての仲間や先輩に比べれば、短い時間ですが、政治部記者として小泉政権の絶頂から民主党政権のスタートまでを取材しました。その間に考え続けてきたことは、幅広い価値観の存在をきちんと受け止めることのできる政治態勢が必要ではないかということでした。そしてその中で私自身はリベラルな立ち位置から「自らの人生を必死に生きようと努力し、汗をかく人たち」に寄り添い、自民党政権の中で届いていなかった声を政治の舞台に届けたいとの思いで民主党の門を叩きました。

 今回の党大会で改正された党綱領の中で、私たちの立場は「生活者、納税者、消費者、働く者の立場に立つ。同時に未来への責任を果たすため、既得権や癒着の構造と闘う改革政党である。私たちはこの原点を忘れず、政治改革・・・・・・など政治・社会の変革に取り組む」とされています。また、目指す社会像の一端として「私たちは一人一人がかけがえのない個人として尊重され、多様性を認めつつ互いに支え合い、すべての人に居場所と出番がある、強くてしなやかな共に生きる社会をつくる」と示されました。私はこの部分に共感するからこそ今も民主党員であり、仮に逆風であっても民主党地方組織の一員として活動を担い続けたいと思っています。

 一方で、政治は現実です。理念だけで押し通せるものではなく、日々迫られるリアルな政策判断の中で難しい選択を求められます。国政における与党であった3年3カ月の間、そのギャップに苦しみ、戸惑った民主党政権でした。その影響が党内政局にもつながり、有権者の不興をかいました。そして圧倒的な逆風の中で政策的自信を失い、理念が揺らぐ・・・。昨年12月の総選挙はまさにそんな状況だったと思います。

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 選挙後に現職国会議員、落選した前議員、地方組織代表者での大きな会議がありました。愛知県で2期目を目指しながら落選した山尾しおりさんという女性が発言しました。山尾さんは、子役としてあの有名な舞台「アニー」の主役を務め、成長して検事から政治家に転じたユニークな経歴の方です。発言の趣旨は「選挙の途中から『民主党ではなく、山尾を』と訴えてしまった。逆風の厳しさにめげて民主党隠しのようなことをしてしまったが、本当は『民主党の山尾です』と堂々と戦うべきだった。揺るがない理念を堂々と訴えるべきだった」というもの。まさにその通り。私は候補者ではなく、選対の責任者で、今回の選挙に臨む立場は彼女と異なりましたが、抱えていた違和感は同じでした。

 もちろん民主党には克服しなければならない課題が山積しています。宮崎においてはもっと地域に根差した政党にならなければなりませんし、苦手分野の克服も必要です。しかし、私たちの掲げる理念をきちんと唱え続けることが、「社会の多様性」と「多くの価値観」を反映させる政治構造の醸成に必ずつながると信じて、私は歩み続けます。党のために活動しているのではなく、私自身が叶えたい社会像の実現のために民主党の活動に取り組みます。

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 さて、現実の“党務”。2月議会開会直前には全国幹事長会議や政策担当者会議、選対ヒアリング。24日は党大会やそれに付随する各種会議のため上京しました。今後も宮崎県議会の会期中に週末を利用した会議が予定されていますし、党本部と地方組織を結ぶインターネットテレビ会議システムも間もなく始まります。また3月、4月は党幹部来県や県連大会もあり、準備に追われます。さらに夏の決戦に向けての調整も続いています。

 確かに負担は軽くありません。しかし政治は一人で成すことはできません。仲間と力を合わせ、声を高め、果たすべきことの実現に向けて力を結集しなければなりません。今はそのためのシステムの構築、維持、発展に取り組む役割を与えられているわけです。ある意味では幸せなことかもしれません。先頭に立って汗をかきたいと思います。

 一人の県議会議員としての取り組みも歩みを緩めず、励み続けます。1日が48時間あったらいいのにと思う毎日ですが、どうか皆さん引き続きご指導ください。

【渡辺創】

※写真は24日の民主党大会の様子です。2枚目は壇上に勢揃いの参院選・東京都議選の候補予定者、3枚目は議案を説明する細野豪志幹事長です。