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F1051274_3 ご存知ですか?

 毎年9月10日からの1週間は自殺予防週間です。宮崎県庁近くの楠並木通りには、自殺予防週間を知らせるフラッグがかかり、県庁本館正面玄関の左奥には特設の啓発コーナーが設けられています(写真)。県の幹部職員も左胸に啓発用カードのようなものをつけて議会に臨んでいます。

 厚生労働省の人口動態統計によると、平成21年の自殺者は3万707人。宮崎県内では同年が337人。平成9年に年間自殺者数が300人を超えてからは300人台が続き、平成19年は394人と400人に迫りました。人口10万人あたりの自殺者数(自殺死亡率)は29・8(平成21年)と残念ながら全国でも高位にあります。

 自ら命を絶つ理由は、まさに3万通りの理由があるのだと思います。

 9月議会の代表質問、一般質問でも何人かの議員が自殺対策に関する質問をしていました。改めて考えましたが、人間誰だって苦しい瞬間もあれば、不安な瞬間、心がざわつく時もあります。追い詰められた気持ちになることだってあります。人はそんなに強いものじゃないし、誰もがそんな面を抱えながら歩んでいくからこそ、人間らしいんだと私は思います。

 大事なことは、そんな気持ちや苦しい思いを吐露できる場があるのかなんだろうなと感じます。聞いてくれる親しい人がいればいい。専門家がいいのかもしれないし、知らない人の方がいいのかもしれない。話してみれば楽になることって案外あるものですよね。今日、県庁本館の啓発コーナーで手にしたビラには「ひとりで悩まないで 誰かに話してみませんか。」とありました。その通りなんでしょうね。

 そういう意味では、思い立った時に、誰かの声が聞きたくなったという時に相談できるところが大切ですね。

◇電話相談「こころの電話」 0985-32-5566 月〜金の午前9時〜午後7時。

◇夜間の電話相談「自殺防止電話ライフネット宮崎」 0985-28-2555 月、火、木、土曜日の午後7時〜午後11時。

◇夜間の電話相談「NPO法人国際ビフレンダーズ宮崎自殺防止センター」 0985-77-9090 水、金、日曜日の午後8時から午後11時。

◇精神科医による診療相談 事前予約制で精神保健福祉センター(0985-27-5663)にご連絡を。

 私が高校1年の時でした。年上の幼馴染が突然、その命を絶ちました。私は今でもその踏切を渡りません。家族やもっと近しい人たちの深い悲しみに比べれば、あえて言うことでもないのでしょうが、大きなショックでした。年を重ねる中で、その後も何度か友達や知人が突然消えてしまうことを経験しました。

 本人も本当につらかったのだと思います。

 大切な命に、守れる命に、しっかりと寄り添える社会を築きたいと思う、自殺予防週間最終日、9月16日の未明です。

【渡辺創】