責任

P1000061_2 尖閣諸島沖の漁船衝突事件の様子を撮影したとみられる映像がインターネットで流出し、大きな騒ぎとなっています。国会で公開された映像を見た議員たちが「本物」という趣旨の発言をしているので、おそらく間違いがないのでしょう。

 私は一連の尖閣諸島の問題では、冷静な対応が必要だと思いながら見つめてきました。

 外交は、国と国とが時に利害をむき出しにしてぶつかる世界。だからこそ、したたかさと、たくましさも必要でしょう。また国内情勢が外交方針に大きく影響することもあります。時には口と腹とを異にしながら、牽制し合い、現実的な着地点を探していく最たるものが外交ではないでしょうか。そうやって、表面に見えない部分も含めて微妙なバランスを懸命に維持しながら「ウインウイン」の関係を築いていくことが外交の本質だと思っています。

 いま中国は、高度成長の中で大きなひずみを抱え、政治環境と経済環境の矛盾も解消されないまま、その深刻度を深めているようにみえます。そんな中で統治する側には、「周近平・李克強」体制への移行を進めなければならない事情があります。中国側にも不安定要素が少なくないわけです。

 だからこそ、ビデオの公開も含めて政権がしっかりと総合的な判断をし、長期的に国益を損しない対応をとると信じています。

 けれども、今回の映像流出。正直なところ、ため息が漏れます。

 もう少ししっかりしてほしい。在野で活動を続ける民主党員の気持ちです。

 菅総理は「真相究明に全力を挙げる」とぶら下がりで答えたようです。真相究明ももちろんですが、政権自体が、民主党自体が、政権を預かっている意味をもう一度見つめ直す必要があります。私は政治部の記者として、永田町で取材をしながら、日本中を歩き、自民党ではもう何も変わらないと感じてきました。だからこそ、民主党に共感し、ふるさと宮崎で政治活動を始めました。

 本当にもう少ししっかりしなければなりません。今こそ政権の胆力が問われています。

渡辺創

※写真は今日の訪問先でいただいた「柿」と「(宮崎では)こっこ」と呼ばれるアケビの親戚のような果物です。