新燃岳

P1010748 鳥インフルエンザ発生の動揺が続く宮崎県。加えて新燃岳の火山活動活発化が県民生活に被害をもたらしています。

 27日も沈静化せず、噴煙は宮崎市東部からもはっきり確認できるようになり、夕方には宮崎市南部の空にもどす黒い噴煙がかかってきました。もう暗くなったので確認できませんが、まだ範囲は広がっているのでしょう。

 写真は、宮崎市木花(宮崎市の南部です)から夕方撮影したものです。左下の山の際から縦に伸びているのが噴煙の中心と思われますが、宮崎市まで大きく広がってきている様子がわかると思います。

 航空会社のHPなどによると、明日は空路への影響がさらに深刻になりそうですし、鉄道、高速道路など交通機関も大きく乱れています。農業への影響も深刻ですし、周辺の住民の皆さんは危険と隣り合わせのうえ、不安も増すばかり。宮崎市内でも昨晩から空震が続き、窓ガラスなどが揺れるたびに不気味に感じるので、周辺住民の不安は深刻なはずです。

 県外から読んでいただいている方も多いので、少し説明すると、新燃岳(標高1421メートル)は、宮崎・鹿児島県境に位置する霧島連山の一つ。霧島連山は、県境に沿うように、というか稜線が県境になっているわけでしょうが、北西側の韓国岳から南東に向かって、獅子戸岳、新燃岳、中岳、高千穂峰と続きます。新燃岳は韓国岳と高千穂峰のちょうど中間あたりにあります。ちなみにここで出てくる「高千穂峰」は、神話の里・県北の高千穂町とは別です。

 小学校高学年〜中学生の頃、もう20年ほど昔の話ですが、当時登山に凝っていた父に連れられて、このルートを何度か縦走したことがあります。それぞれ趣の違った山で、ワクワクしながら歩みを進めたものです。ただ新燃岳の山頂からは緑色の火口湖が見下ろせ、その周りから上がる煙を見ていると、何となく心がざわついて落ち着かなかったことを覚えています。

 あの火口から今は噴煙が上がり続けているわけです。こればかりは、どんな科学技術を駆使しても人間が止めることはできず、1日も早い沈静化を祈るしかありません。

【渡辺創】